読めばわかるコラム:Vol.10 上司と部下の板挟み…強い営業リーダーが持つべき「リーダーシップ」とは

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キャリアも年齢もバラバラの営業チームを率いていくリーダーには悩みはつきものだ。今回はそんな営業リーダーのお悩みについて考えたい。

営業リーダーのお悩みトップ5!

私が営業部門の管理職やリーダー層を対象とした研修を数多く行うなかで、受講者からお聞きする悩みはさまざまだ。その中で特に多いものを5つ選んでみた。

1 上司と部下の板挟み 

2 年上メンバーとの接し方 

3.若手メンバーとの接し方

4.プレイヤーとマネジメントの両立 

5.チームビルディング

みなさんの悩みはこの中にあるだろうか。どれも営業チームを率いていくリーダーであれば、直面するテーマだと思う。今回はその中でも「上司と部下の板挟み」について、解決に向けたヒントをご紹介したいと思う。

更に高い業績を求められるが、部下は疲弊している…というジレンマ

【上司からの指示】

「君のチームは対前年〇%アップで頑張って欲しい!」

営業チームを率いるリーダーならば、何度も聞いたことがあるメッセージだろう。
現場のメンバーは精いっぱい頑張っているので困難な目標だと訴えても、

「現場がサボっているとは思わないが、もう少し優先順位の付け方があるはずだ」
「そこをちゃんとマネジメントすれば、無理な目標ではないはずだ」と言われてしまう。

この上司からのメッセージをメンバーにそのまま伝えればどうなるだろう。

【メンバーの反応】

「優先順位って言われても、組織が定める基準なんてどこにもないですよ」
「新規顧客からの問い合せや、既存顧客の対応で精一杯ですよ」

といった反発が返ってくるのは目に浮かぶ。こんなジレンマを抱えた経験はないだろうか。

これは、「営業方針」というベクトルが、トップと現場でそろっていない典型的な症状だ。

方針を決めるべきリーダーが意思決定せず、現場に結果を出すことだけを求めると、現場は感情的になる。このような営業現場の感情の受け止め方を間違うと、トップ・ミドル・現場の人間関係がこじれてしまう。

【やってはいけないこと】

「私は、無理だと言ったんだけどね…」と部下に迎合して、上司のせいにする
・上司や部下とのやりとりが面倒になって、方針や戦略を決めることを放棄してしまう

この2つはやってはいけない典型だ。部下から見ると、「なんだ、このリーダーは頼りにならないな」と見えてしまうからだ。

営業リーダーはただの調整役ではない

こんな時はまず、同意するのでも、否定するのでもなく、現場の感情を受け止めることが肝要だ。そうすることで、部下との「関係の質」が変わってくる。部下と起きている事実を冷静に見つめ、議論を尽くすことができるようになる。

ここまでくれば、自ずと方針が見えてくる場合が多い。下図で示した成功循環モデルの「関係の質」が「思考の質」に移行するのだ。

MIT教授 ダニエル・キム「成功の循環モデル」より

そして、最後はリーダーであるあなたが、「こうしよう!」と決めることが大事だ。

大切なのは、まず現場の気持ちや感情を「受け止め」「対話し」、そして「決める」ことなのだ!

一方、上司に対しては単なる現場との調整役になるのではなく、リーダーとしての自分の考えを丁寧に説明し、自分が納得するまで話し合うことが重要だ。

格闘するリーダーの姿を現場のメンバーはちゃんと見ている。このようなリーダーのコミュニケーションによって、トップ・ミドル・現場の考えが通じ合い、営業方針というベクトルがそろってくる。

このような取り組み姿勢の事を「リーダーシップ」という。

この時点であなたは、上司からも部下からも信頼される存在になっていて、もはや板挟み状態ではなくなっているはずだ。

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