読めばわかるコラム:Vol.24 強いリーダーが行うべき「営業チームに変革を促す2つの策」
トップへ戻る前回のコラムでは、メンバーに“本気スイッチ”を入れるためにリーダーが実践すべきシカケ、「危機感の共有の仕方」について述べた。ただ実際には、チーム内での危機感の認識レベルには濃淡があり、油断しているとチームの士気は下がってしまう。
今回は“本気スイッチ”を逆戻りさせず、さらに強い営業チームへとテコ入れ策についてお伝えしたい。
1)同志を募り、推進チームをつくれ!
例えば、新製品がリリースされ、あなたの営業チームがその拡販の先駆けとなって行うことがミッションになったとしよう。競合製品が優勢で、次第にシェアを奪われつつある今こそ、新製品を武器に劣勢を挽回することが喫緊の課題である。
その危機感とミッションの重要性は、あなたのチームメンバーも頭では理解している。
一方、売ったこともない、実績もない新製品を、どうやって売るのか?
しかも競合製品が入っている疎遠なお客様にアプローチするのは、気が引ける…。
大半の営業メンバーの本音は、こんな感じだ。あなた本人も、「これやれば売れるぞ!」という具体的なイメージはない。
こんな時、あなたが営業リーダーならどうするか?
失敗するケースとしては、営業リーダーが、「まずは自分が実績を出し、手本となる正解をメンバーに提示しよう!」と孤軍奮闘してしまうことだ。そして、ひとりで悶々と悩み、力尽きてしまう場合が多い。そこで、同士を募ることが重要なポイントとなる。
もちろん、リーダーが率先垂範することは、とても重要だ。その姿が他のメンバーに刺激を与える。重要なのは、リーダーの奮闘する姿に刺激を受け、闘争心が高まってきた同志を早く巻き込むことが大切なのだ。10名のチームであれば、2、3名くらいでいい。
3人寄れば文殊の知恵だ。まだ結果が出てなくてもいい、早期に一緒に知恵を出し合える推進チームをつくることで、変革のスピードは一気に加速する。
2)推進チームを勇気づける“小さな成果”をあげよ!
推進チームが結成できたら、まずそのチームで考えることは、チーム全体を勇気づける事例をどんどん広報していくことだ。華々しい成果でなくてもいいのだ。
- 長年にわたり競合製品を使っていたお客様とアポがとれた!
- 実は、競合製品に対して、こんな不満を持っているお客様が結構いる!
- 新製品のデモに、なんとお客様の役員も出席して、突っ込んだ質問をしてきた!
など、「もしかしたら、うまく行くかも!」と、思わせる小さな成果でよい。重要なのは、小さな成果を早く出し、良い兆しを事実ベースでチーム共有することなのだ。
そうすることで、チームのやる気の温度が上がりはじめ、同志が増えてくる。その同志の数が一定数を超えると、その変革は逆戻りしなくなる。優秀なリーダーは、このような変革のシナリオを最初から周到に考えている。
ぜひ、営業リーダーの皆さんも変革のシナリオを描き、強いチームへと育てて欲しい。この考え方は、個々のメンバーを育てることにもつながる部分がある。
次回は、個々のメンバーを動機づけ、自立自走させる育成方法ついてお伝えしたい。