読めばわかるコラム:Vol.44 大切なのは営業方針の伝え方!成果を出すための「部下とのコミュニケーションスキル」とは?
トップへ戻る営業リーダーは、上位層の方針を部下に共有する、部下が納得して動くように伝えることが大切だ。リーダーのコミュニケーションの取り方次第で、チームがうまく機能するかが決まる。そのために、リーダーには「チームを動かす方針を伝える」「メンバーの想いを汲み取る」といった2方向のコミュニケーションスキルが求められる。
なかでも今回は、“方針を伝えるスキル”について解説する。
部下の心を動かす!自分の言葉で語るスキルを磨こう
幹部会議で決まった方針の議事録をそのまま読んで伝える営業リーダーもいる。ただ、それでは伝書鳩と同じで、チームに対してリーダーシップを発揮していることにはならない。チームメンバーが「なるほど、よくわかりました。やる意味が理解できました。」と納得し、「このリーダーと一緒に、この方針を全うしたい!」と思えるように伝えることが、営業リーダーの役割だ。
そのためには、組織の方針を自分の言葉で語らなければならない。以下の3点のポイント意識し、順を追って伝えていくことが必要だ。
営業チームの成果を出すためのコミュニケーション STEP3
STEP1 実現したい想いと、その意義を語る
自分の言葉で語るとは、他人事のように話すのではなく、自分を主語に「自分は、こうしたい!」と、自分の想いを表現することがポイントだ。
コミュニケーション例1)
「値下げ競争を避け、付加機能で差別化する」という方針が決まったとすれば、「自分(営業リーダー)としては、この方針を進めることで、プレミアム顧客層でNo.1のシェアを実現したい!」と具体的な想いを伝え、「これは、我々が優良顧客を取り込むチャンスであり、プレミアムブランドを確立するチャンスだ!」という意義を語ることが大切だ。
STEP2 最初の“スモールゴール”と、その後の“サクセス・ストーリー”を伝える
最終的なゴールや目標だけでは、なかなかメンバーの動きを後押しすることは難しい。目標を細分化したスモールゴールを設定すること、そしてさらにその先のビジョンを見せることが大切だ。
コミュニケーション例2)
「まずは、このエリアでの優良企業10社にアプローチして、付加機能サービスの受注実績を早急に挙げることが、最初の目標だ」と、最初のゴールイメージを伝え
⇒「この10社での導入実績は、強力な営業ツールになるはずだ!」「『安かろう悪かろうという選択は得策ではない』という考えに共感するプレミアム顧客層に営業が進めやすくなるはずだ」
⇒「このストーリーが上手くいけば、No.1のシェアを実現できるはずだ」
と、その実現可能性をリアルな物語として語ることが重要だ。
STEP3 今からすべき具体的なアクションを明示する
ビジョンやゴールを語った後は、実現のための具体的アクションに結びつけて伝えることを忘れないことが重要だ。
コミュニケーション例3)
「そこで、皆さん(メンバー)に今日からの営業活動で実施して欲しいことは、自分が担当する優良企業の担当役員への上司同行アポイントを取ってほしい」と具体的な指示を伝えることで、メンバーたちは次にやるべきアクションを明確に理解できるのだ。繰り返しになるが、営業リーダーの役割は、上位の方針を単に伝達することではない。
メンバーが納得し、行動するように、翻訳して伝えることが役割だ。
そのためには、冒頭でも述べた通りメンバーの想いもくみ取り、信頼関係を築くことが、その前提として求められる。
次回は、その手法としてコーチングについて解説する。