読めばわかるコラム:Vol.42 リーダーシップ力とは何か? 効果的に発揮するために必要な3つの力
トップへ戻る営業リーダーになると、必ずといっていいほど「リーダーシップをとってほしい」と言われるはずだ。しかし、「リーダーシップ」については、漠然としかわかっていない方も多いと思う。
今回はそもそもリーダーシップとは何か、そしてリーダーシップを発揮するためにはどのようにすればいいか、という点について解説する。
リーダーシップ力とは何か?
リーダーシップ力とは対人影響力である。もう少し補足すると、進むべき方向を指し示し、対人影響力を発揮しながら率いていく力だ。ここには以下2つの観点が含まれている。
- 「こっちへ行くぞ!」と進むべき方向を定める力
- 周囲の人々に対して「ついて行きたい!」「協力したい!」と感じさせる対人影響力
特に、対人影響力の発揮の仕方がポイントになる。
リーダーシップとマネジメントの違いとは
人を動かし物事を進めていく手法には、「マネジメント」という考え方もある。読者の皆さんにも、管理職やマネジメント職に就いている人もいるだろう。では、人の動かし方において、リーダーシップとマネジメントの違いとはなんだろうか?
結論から先にお伝えすると、
マネジメントは、職務権限や決められた規則に従って人を動かすことだ。平たく言えば、上司という立場で指示命令することで、部下を動かすことだ。つまり、マネジメントによって人を動かす場合は、強制力が発生する。
一方、リーダーシップは、メンバーの心に火をつけ、情熱で人を動かすことだ。
つまり、リーダーシップは管理職であろうが、なかろうが、発揮できるものなのだ。極端な話、配属されたばかりの新入社員でも発揮できるものだ。
たとえば、朝早く来て元気に挨拶する立ち振る舞いが、職場に活気をもたらしているとすれば、これは立派なリーダーシップだ。
「自分は管理職でないから、人を動かすことができない……」と思っている方がいるとすれば、それは順番が間違っている。職務権限がなくても、自らの立ち振る舞いや言動によってメンバーを率いることができないと、たとえ管理職になっても有効なマネジメントはできない。
営業リーダーに求められるリーダーシップに求められる3つの力
営業リーダーに求められるリーダーシップ力について、もう少し具体的に言及すると、私は次の3つが重要だと考えている。
1)数字を意味づける力
営業チームの場合、目指すべきものとしての「目標数字」が定められていることが多い。ただ、それは単なる無機質な数字でしかない。リーダーに求められるのは、その数字を達成することの意味づけを行うことだ。その意味づけがないとメンバーを動機づけることは難しい。
こちらは過去のコラムに詳しいので参考にしてほしい。
Vol.13効果的な目標、方針、戦略の伝え方-強い営業チームのチームビルディング1-
2)チームを勇気づけ、小さな成果をひねり出す力
チームが低迷している時、リーダーはその士気を高めなければならない。その際、一番説得力のある方法は、「やれば、できる!」という事実を示すことだ。たとえ小さな成果でもいい、その結果をメンバーに示し続けることが重要だ。自ら率先垂範するもよし、志を同じくするコアチームのメンバーと、「なんとしても結果を出す」プチプロジェクトをやってもいい。そのリーダーシップが必要なのだ。
3)一人で抱え込まず、周囲に助けを求める力
特に困難に直面している時は、自分がなんとかしないといけないと思いがちだ。でも、リーダーが一人でできることには限界がある。そんな時は迷わず、「助けて欲しい!協力してほしい!」と言えることが大事だ。「なんとかしたい!」というリーダーの気持ちが伝わると、必ず協力者は現れる。これは、とても重要な対人影響力だ。
リーダーシップを発揮するためのチャレンジを続けることで、必ず手ごたえをつかむことができる。そして、自分に自信が持てるようになる。ぜひ自分の成長のために取り組んで欲しい。
次回は、部下への仕事の振り方・任せ方について解説したい。