読めばわかるコラム:Vol.29 部下育成の負担を軽減できる!?自立自走のためのチームワーク促進方法~優れた営業リーダーの部下育成5~
トップへ戻る営業リーダーが部下育成の責任を負っていることは確かだが、プレイヤーとして業績責任も背負いながら、部下育成と両立していくことには限界がある。多くの新入社員や異動者が配属される新年度となると大変な負荷になる。
今回は、チームメンバーの力を借りながら、部下育成を行っていく手法についてお伝えしたい。
得手不得手を把握してミニチームを結成!
教育担当制やメンター制度などを導入している会社は多いと思う。このように部下育成の一部分を他のメンバーに担ってもらう手法は、リーダーの負荷軽減と教育担当自身の新たな能力開発にもつながる良いやり方だ。
一方、この手法では先輩後輩などのペア組みになることが多いため、デメリットもある。例えば、教育担当者の負担が大きくなり本来業務に影響が出る、二人の相性が合わない、先輩の偏った考え方や癖に後輩が傾倒してしまうといったことだ。
そこで私が推奨したい手法は、3人以上のミニチームで育成対象者をサポートするやり方だ。こうすることで、前述のデメリットを軽減することができるのだ。
このミニチームづくりの第1のポイントは、得意分野の異なるメンバーをうまく混ぜることだ。例えば「企画書づくりが上手なメンバー×営業トークがうまいメンバー」、といった具合に組み合わせる。
第2のポイントは、苦手分野を他メンバーの得意分野で補完できそうな組み合わせにすることだ。ベテランだが新規のお客様への足が重くなりがちな先輩社員に、知識スキルは未熟だが、行動力は抜群の若手メンバーを混ぜるような場合が考えられる。ベテランは若手の取った新規アポに行かざるを得なくなり、若手はベテランから知識スキルを学ぶといった相乗効果が生まれるのだ。
このように他者から学べることを知り、他者に教えることで自分の強み、存在価値を認識する嬉しさを味わうことで、チーム内では自主的に訊き合い、教え合う風土が高まってくる。まさにチームワークが高まってきている状態だ。
チームメンバー同士に「互いの商談に関心を持たせる」ポイント2
ここまで来たらミニチームの枠を取り払い、チーム全体で訊き合い、教え合う風土が高まるように働きかければよい。
そのためには、チームメンバー同士がそれぞれの得手不得手、強み弱みを自他共に理解し合っている状態が理想的だ。ただ、そう簡単に相互理解が進むものではない。
そこで、私がおすすめしたい相互理解を促す方法は、メンバー同士がお互いの商談内容に興味関心を持つように促すことだ。
もう少し具体的に説明すると以下の2点がポイントだ。
1)成功者に話を聞きに行け!
1つ目は、商談が前進したり、成約したトピックスが共有されたら、積極的にその担当者にどんな営業をしたのか訊きに行くように促すのだ。訊かれる方は嬉しいし、得意になって教えてくれる。その結果、その人の特徴や得意分野がわかってくるのだ。
2)積極的に相談に行け!
2つ目は、困っている商談があれば、「この人だ!」と思う人に積極的に相談に行くように促すのだ。相談された方は、相手の商談内容を詳しく知ろうとするし、相手の特徴、力量を同時に知ることができる。もちろん、頼りにされることは嬉しいから、応えようとしてくれる。
上記の2点を促すことで、更に訊き合い教え合うチームワークが高まってくるのだ。
こうなると、リーダーがマンツーマンで教える時間がかなり減ってくるはずだ。
さらに、リーダーでも思いつかない答えをメンバー同士のやり取りで、見出していることも出てくるはずだ。
チームメンバーが自律自走するシクミをつくることで、チームリーダーの負担はかなり軽減されるはずだ。このようなチームづくりを。ぜひ目指して欲しい。
次回は、目標達成意欲が低い部下への対処法についてお伝えしたい。