読めばわかるコラム:Vol.32 「戦略」だけではダメ!動かない部下には“戦術”を伝えよ 〜優れた営業リーダーの部下育成8~

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営業責任者からよく聞く言葉がある。

「ウチの営業部の戦略は明確なんだ。でも、その実践ができない…」
「だから、営業メンバー向けの営業研修をして、営業テクニックを教えてやって欲しい」

テクニックを教えたら売れるのか? 実際はそんな単純な話ではないことが多い。
今回は、営業方針や戦略を伝えても部下が動かない場合の対処法についてお伝えしたい。

部下への伝え方
POINT1:「戦略」だけでなく、行動レベルで「戦術」を伝えよ

例えば、新サービスが発売となり、そのメインターゲットは、「年商〇億円以上で従業員〇人以上のIT管理部門」という方針が出たとしよう。これは「営業戦略」を伝えているメッセージだ。一方、この方針を聞いた営業メンバーの受け止め方としては、往々にして次のようなつぶやきが出てくる。

「それはわかるんだけど、IT部門の誰に、どうやってアポとればいいのかな?」
「これまでのサービスは、人事総務向けの営業だったから、アプローチリストの準備もしやすかったけど、IT部門はどうしたらいいのかな?」
「ウチの会社は、まだIT部門での実績がないのに、どうやってアピールすればいいんだ?」

というように、営業メンバーはその実行イメージを模索し始める。

ただし、営業戦略を聞いただけで自分なりにその実行方法を考え、やりながら工夫できる人は数少ない場合が多い。

このとき、営業リーダーが行うべきことは、

「未取引の会社ではなく、すでに既存のAサービスを導入済の人事総務部門からIT部門の部長クラスを紹介してもらえ!」
「紹介をお願いする時のトークは、●●●●だ!」

というように、組織の営業戦略をそのまま伝えるだけではなく、「営業戦術」にまで落とし込んでメンバーに伝えることが重要なのだ

部下への伝え方 POINT2:営業の難所を絞りこみ、before⇒afterを伝えよ

「戦術」を伝える時のもう一つのポイントは、つまずきがちな営業の難所をピンポイントで絞りこむことだ

前述のシーンでの営業の難所は、「従来のサービス窓口である人事総務部門からIT部門につないでもらう時」に絞りこんだとしよう。このとき、「IT部門のご担当者をご紹介いただけませんでしょうか…?」と遠慮がちにお願いするとキーパーソン会えず、失敗パターンになる。

この場合、「『システム運用人材の育成や調達についての問題解決についてお話したいので、ぜひ部長クラスの方におつなぎいただけますでしょうか』と、明確に意図を伝えよ!」という具体的なアドバイスが有効だ。つまり、これまでのやり方から改善すべき部分をクローズアップして、before⇒afterで分りやすく伝える工夫が必要なのだ。

営業メンバーへの方針や戦略を伝える際に、さらに具体的な戦術レベルまで踏み込んだ補足を行っているかどうか、改めて確認をして欲しい

ここまで、営業メンバーの自立自走を促すための部下育成についてみてきた。次回は、より強い営業チームになるための「部下と“フレームワーク”を共有することの効果」についてお伝えする。

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