読めばわかるコラム:Vol.38 即実践!効果的な「育成PDCAサイクル」が部下の成長を支える

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そもそもPDCAとは、物事を実行しながら継続的に改善していく考え方だ。

Plan→Do→Check→Actの頭文字の略で、下図で示すようなサイクルを回しながら、らせん階段を上るように改善を進め、実行の精度を高めていく考え方である。

人材の能力強化という観点でも同じように考えることができる。今回は、部下の成長を促すための「育成のPDCA」について解説する。

「部下育成のPDCAサイクル」実践時の落とし穴

一般的なPDCAサイクル

ありがちなPDCAサイクルの落とし穴は、PlanとDoは一応するが、CheckとActが中途半端にしか行われないことだ。これは部下育成にもあてはまる。

部下と共に育成計画(Plan)を立て、実行(Do)を促したものの、実践結果の検証(Check)は半年後の面談時にざっくりと行われ、更なる改善策(Act)についてはほとんど言及されずに、別の新たなテーマで課題設定されることが多い。

つまり、育成のサイクルがつながっていないのだ。

“Do”のポイントとなる「フィード・フォワード面談」とは!?

Plan(育成計画)については、前回のコラム「部下育成で「放置」は厳禁!本人任せにしない効果的な育成計画の考え方」(※リンク貼る)を参照して欲しい。

ここでは、その後のDo=実践実行Check & Act(振り返りと改善)における、部下への働きかけ方について解説しよう。

●Doのポイント

テーマを意識した営業活動を部下にイメージさせよ!

実践実行するのはあくまでも部下だ。そこで重要なのは、部下本人が育成テーマを意識して実践することだ。

例えば、他部門と連携して大手企業から大型商談を獲得することが育成テーマであれば、商談に臨む前に、そのテーマに則した営業活動を部下にイメージさせて、意識づけることが営業リーダーの役割だ。

例えば、

「A君、今日のアポは大手企業の○○商事だね。まさに他部門の商材も取り入れた複合提案のチャンスだと思うけど、どんなニーズを想定しているの?」

→【仮説の確認】

「なるほど、そのニーズはどんな情報をもとに考えたの?」

→【仮説の根拠、着眼点の確認】

「そのニーズをどうやって聞き出して、こちらの商材提案につなげるつもりなの?」

→【具体的なやりとりの確認】

このように、事前に部下に問いかけ実践イメージを確認し、もしズレがあればアドバイスをする「フィード・フォワード面談」をおすすめしたい。

“Check & Act”のポイントは的確なフィード・バックにあり

Check & Actは、まさしく結果の振り返りと今後の改善策を考えることなのだが、実態は、結果の確認と次の打ち手を指示しているだけになっていることが多い。

●Check & Actのポイント:

商談後に結果の良し悪しの確認だけでなく、学び教訓を考えさせよ

例えば、こんなやり取りをしていないだろうか。

営業リーダー 「A君、○○商事のアポはどうだった?」

部下A君 「いやあ、想定と違って全く想定外の課題が出てきたので、うまく営業できませんでした……」

営業リーダー 「だったら、この事例を持って、もう一度アポを取り直して行ってみろ」

……これでは、振り返りにも、学びにもなっていない。

部下本人が、この経験から学び成長するためには、以下のような2つのポイントを踏まえた働きかけが必要だ。

【ポイント1】うまくいかなかった(うまくいった)要因分析

・なぜ、当初の想定からズレたのか?

・お客様から出てきた別のニーズは、どこに着眼しておけば想定できたのか?

・想定外のニーズが出てきた時に、対応できなかったのはなぜか?

 

【ポイント2】この経験からの学び、教訓の確認

・今後、大手企業に行く場合には、事前にどんな情報収集をして、どんな準備をしておけばいいのか?

このような振り返りを行い、今後の改善点を確認する面談を、フィード・バック面談という。

部下育成のPDCAサイクル

「育成のPDCAサイクル」を回すためには、育成テーマにつながる場面を具体的にとりあげ、事前のフィード・フォワード面談と、事後のフィード・バック面談をこまめに部下と行うことが重要なのだ。

次回は、チームメンバーの行動管理についてお伝えしたい。

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