読めばわかるコラム:Vol.39 過干渉はNG⁉ 営業メンバーへの適切な行動管理のポイントとは

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営業活動の状況を把握して、誤っている部分があれば是正を促していくこと。これが行動管理だ。ただ、やり方を間違うとマイクロマネジメント(業務のやり方の細かい部分まで干渉し指示すること)に偏り、部下のやる気を低下させることにもなる。今回は、適切な行動管理の手法について解説する。

大切なのは「行動管理をする観点」のすり合わせ

メンバーの行動管理をする最終ゴールは、上司からいちいち言われなくても、メンバー自身が自分で行動管理ができるようになることだ。そのためには、「上司としてはこのポイントを重視し着目しているよ」という観点を、あらかじめメンバーと共有しておくことが重要だ。

行動管理の観点には、1)行動量の観点と、2)行動の質の観点がある。

1)行動量の観点とは

【商談案件数】営業目標の達成に向けて、必要十分な商談案件数を保有しているのか?
【営業活動量】不足する場合は、案件を仕込み補充するための営業活動量が足りているか?

2)行動の質の観点とは

  1. 戦略レベル:営業対象(ターゲット)とおすすめする商品が間違っていないか?
  2. 戦術レベル:受注に向けての営業プロセスが間違っていないか?
  3. 商談レベル:お客様との商談のやりとりの仕方は正しいか?

上記の観点を、メンバーの状況、力量に合わせてすり合わせておくと、上司部下の報連相はスムーズになり、上司から言われなくても自分で意識して実行できるようになっていくことも多い。

効果的なのは「量」と「質」からの行動管理

まず、「行動量の管理手法」についてお伝えしたい。

ポイントは、営業目標に対する現状の見通しと不足分を数値化させ、埋めるためのアクションプランをメンバーに考えさせることにある。さらに、このPDCAサイクルを頻度高く回すことを促すことだ。

より具体的な手法については、以前のコラムで紹介した「数字管理シート」「案件管理シート」という2つの管理シートの活用法を参照してほしい。
「Vol.06 強い営業チームが使う目標達成シミュレーションツール「ヨミ表」とは?」

次に、「行動の質についての管理手法」について触れたい。

◎戦略レベルの行動管理

一番重視しなければならないのは、「戦略レベル」の行動管理だ。なぜなら、営業すべきターゲットとおすすめする商品が間違っていると、行動量が十分でも、優れたコミュニケーションスキルを持っていても売れないからだ。

特に、新規顧客開拓が中心の営業や、担当顧客を数多く持っている営業の場合は、訪問先の妥当性については、メンバーと十分なすり合わせが必要だ。

より具体的な手法については、以前のコラムを参照して欲しい。
Vol.16 強い営業チームが共有する「顧客ポートフォリオ」とは

◎戦術レベルの行動管理

一方、担当顧客数が少なく、受注契約までのリードタイムが長い場合には、「戦術レベル」の行動管理が重要となる。限られた商談の受注確率を最大限に高めなくてはならないからだ。その場合のポイントは、営業プロセスを見える化し、着実に営業が進んでいるかどうかをメンバーと進捗確認できるシクミを作っておくことだ。

こちらのシクミ例については、以前のコラムを参照いただきたい。
Vol.04 強い営業チームは「シクミづくり」で勝ちパターンを意識付けしている!

◎商談レベルの行動管理

まだまだ営業スキルが未熟なメンバーには、「商談レベル」の行動管理が必要だ。

この手法については、ちょうど前回のコラムでご紹介した、「フィードフォワード」「フィードバック」が有効なのでぜひ参考にしてほしい。
Vol.38 即実践!効果的な「育成PDCAサイクル」が部下の成長を支える

繰り返しになるが、行動管理の目的は、メンバーが自律的に行動管理できるようになることだ。そのためには、一挙手一投足を指示するのではなく、営業成果につながる観点を具体的に示し、考えさせることが重要なのだ。

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