読めばわかるコラム:Vol.40 これってストレス!? プレイングマネージャーが抱えるジレンマと解決のヒント
トップへ戻る読者のみなさんの中でも、プレイヤーとして日々営業活動に精を出しながら、チームをマネジメントして成果をあげる役割の両方を担っている営業リーダーも多いと思う。いわゆる、「プレイングマネージャー」だ。この二足の草鞋を履くことに苦労している話は数多い。
今回はプレイングマネージャーとしての役割への向き合い方について解説したい。
プレイングマネージャーが陥りがちなジレンマ
プレイングマネージャーを野球のチームに例えると、選手兼監督だ。選手との距離が近く、意思疎通が円滑になるのでチームを束ねやすい、選手としても一流の腕前を持つことから、実戦力としても機能するといったメリットがあると言われている。
総論は良さげだが、具体的な場面ではいろんなジレンマと向き合うことになる。
例えば、チャンスの場面で、若手の選手をそのまま打席に立たせるか、自分が選手として代打で登場するか、この試合の勝利を考えると悩ましい選択だ。
自分が打席に立てばチームが勝利できる確率は高いが、若手選手の成長の機会を奪うことになるといったジレンマだ。
また、プレイングマネージャーとしての評価が、選手としての成績とチーム成績の両面から行われるとなると、自分の打席を優先させてしまう心理も働いてしまう。
営業チームでも同じような状況が生まれることは、容易に想像できると思う。
そもそもプレイングマネージャーには、このような矛盾が内在するのだ。
なぜ、自分は「プレイングマネージャー」なのか。会社の本音とは……
このようなジレンマが容易に想像できるのに、なぜ、会社は敢えてプレイングマネージャーというポジションをあなたに課すのか?その本音を考えてみよう。
あなたを一流の選手としてそのまま起用したいのであれば、わざわざパフォーマンスが落ちるプレイングマネージャーには起用しない。あなたにマネージャーとしての可能性を期待しているから任命しているのだ。
つまり、あなたが一選手として活躍する貢献よりも、選手を育てチームを強くすることに関わってもらう方が、貢献度が大きいと考えているからだ。
ただ、実績を挙げている一流選手を今すぐに引退させてしまうと、短期的な業績低下が起こるかもしれないとう不安があるから選手もやってもらおう、というのが一般的に考えられる会社側の本音だ。
マネジメントかプレイヤーか。今後のキャリアを明確に
もしあなたが、プレイングマネージャーという二足の草鞋を履くことにストレスを感じていて、かつ、今後はマネージャー役に専念したいと考えているならば、答えはシンプルだ。
自分にメンバー育成を任せてくれれば、自分が一選手だった時よりも大きな業績を挙げられることを実証し、会社が抱いている不安を払拭すればよいのだ。
具体的には、自分が選手だった時の営業チームの業績目標をほかのメンバーに割り振って、全力でメンバー育成に注力することで、チームで目標達成することを目指すのだ。プレイヤーとしての自分の業績は、チーム目標をさらに大きく達成するためのプラスα原資として位置付けることが望ましい。
プレイングマネージャーという役割にストレスを感じている営業リーダーの多くは、今後自分はどのような力を付けて、どんなキャリアを積んでいきたいのか、その意思が曖昧な場合が多い。マネジメントの力を付けたいのであれば、その腹のくくりをすることが重要なのだ。
次回は、部下の褒め方・叱り方についてお伝えしたい。